県大会、2日目。
準々決勝も、無難に勝つことが出来た。
亜紀、由紀、里美は、出しても、
安心して見ている事が出来た。
ハーフ・タイムで、勝敗の行方が、
見えて来たので、佐紀を下げて、
2年生のガードの瑠菜を、出した。
すると、点差が詰まり始めた。
得点はするのだが、
瑠菜を起点とする失点も、多かった。
三田は、ベンチから大きな声で、瑠菜に、
指示を送り続けた。
“まっ、カバー・ディフェンスの
練習と思えば、いいか”
三田は、そう考えて、辛抱強く、
瑠菜を使い続けた。
点差は、かなり開いていたので、
慌てることは無かったのだ。
第4クォーターには、もう一人のガード、
沙耶も出してみたが、2人とも、
同じようなものだった。
“もう少し、経験が、必要だな”
試合後、佐紀と歩美は、2人を呼び、
いろいろ、アドバイスをした。
そして、皆で、
準決勝で当たるチームの試合を見ようと、
観客席のドアに、手をかけると、
「サキっ!」
後ろから、声がした。

