佐紀たちは、通路の隅で、三田の周りに、
集まっていた。
「やったぁー、優勝だぁ」
皆、嬉しそうな顔をしていた。
三田は、皆を見回し、
「よーし、よくやった。
第一段階、クリアだな。
しかし、まだ、先は長い。
浮かれてなんか、いられないぞ」
全員が、気を引き締め、うなずいた。
「今回は、ゾーンの出番は、無かった。
しかし、これは、秘密兵器として、
持っておくことにする。
県大会になれば、もっと強い相手が、
出て来るからな。
その時のためにも、
いろんなパターンを、練習する。
まだまだ、やらねばならない事が、
イッパイあるぞ。
いいなっ」
「はいっ」
「よし、解散」
雅美は、嬉しそうな顔をして、
小さく、手を叩いた。
それを見た、三田は、
「まあ、今日だけは、許す。
喜びを、噛み締めておけ。
それが、県大会で、悔し涙に、
ならないようにな。
明日からは、また気合入れて、
やるぞ」
「はいっ」

