部活~ウチらバスケ部~高校編      ファイナル


板倉は、ベンチから出てくる甲陽を見て、


  “やはり、あいつらは、凄いな”


そう思った。

板倉は、甲陽を認める事によって、あの
屈辱からの恨みに決別出来たのだった


甲陽の動きは、とどまる所を知らなかった。

差は、開く一方である。

しかし明邦も、果敢に挑んで行った。


  “そうだ、それでいいんだ。
   それが、明日につながるんだ”


板倉は、お気に入りの言葉を、
何度も繰り返した。



残分2になって、甲陽は、佐紀を残し、
後は2年生に、メンバー・チェンジした。

もう疲れもピークに達し、休みたい明邦は、
それを、羨ましそうに見ていた。


佐紀の声が響く。


  「プレス!」


明邦の気持ちは、ここで折れた。


板倉は、最初、


  “そこまでやるか”


と、思ったが、


  “甲陽は、全力で、闘ってくれている”


そう思うと、甲陽に、
感謝せずにはいられなかった。

そして、板倉は、
萎えかかっていた闘志を振り絞り、
声を張り上げた。


  「行けっ、負けるな、走るんだ」


すると、その声に後押しされるかのように、
明邦も、闘志を、絞り出した。


  “頑張れ、みんな、頑張れ”


板倉は、初めて、皆を応援した。

今までは、頭ごなしに命令するだけだった。

それが今、皆と一緒に、闘っている。

今、板倉と明邦は、一つになったのだった。



オフィシャルのブザーが鳴り、
審判が、笛を吹く。


  「タイム・アップ」


明邦は、大差で、甲陽に負けた。