上を見上げようとしたら、
その人は、横を向いた。
謝ろうと、顔を覗き込み、
「すみま……、えっ」
「あちゃぁー」
「ユリ!」
友理の後ろで、バタバタと走る音が聞こえた
「ユリも、来てたんだぁ。一人?」
祐太が、首を横に振りながら、
「そうじゃないだろう?
あと、誰がいるんだ?」
そう言って、向うに、声をかけた。
「おいっ!、出て来いよ」
向うの角から、梨沙が、顔を出した。
そして、頭をかきながら、出て来た。
その後に続いて、
華子や雅美たちも、出て来た。
「あっ、リサ、華子、みんな……」
梨沙たち、バスケ部2年全員が、
バツが悪そうな顔をして、やって来た。
「もうー、ユリ、遅いんだからぁ。
見つかったじゃない」
「ごめーん」
「えっ何、私たちのこと、つけてたの?
もうー、華子まで……」
「あら、お固い佐紀さん。
最近、面白い事が少ないから、
ちょっと楽しませてもらおうと思い、
来たんですのよ」
「サキぃ、手なんかつないじゃって、
ラブラブじゃん」
「もうー、チナぁ」

