桜も、散りかけようかという頃、
佐紀たちは、3年生になった。


いよいよ、最後の大会が、迫って来た。

そして、3年生になったという事は、
受験生にも、なったという事である。

しかし、まだ、受験生の実感は無く、
バスケットに熱中する日々が、続いていた。


甲陽高校、体育館

皆が、アップの後の休憩中、
フリー・シュートを打っていると
三田がやって来た。

佐紀の所へ行き


  「おい、新入部員は、入ったか?」


  「今のところ、4人です」


  「そうか。新入部員は、
   まず基礎トレからだ」


佐紀が、ニッコリして


  「わかってます。
   辞めない程度に、外、走らせてます」


三田も、微笑んで、


  「よーし、始めるぞー」


練習が、始まった。



佐紀たちも、3年生になって、
確たる自覚が、芽生えて来た。

やらねばならないという気持ちが、
気合の入った練習に、つながっていた。

友理も、何かと文句を言いながらも、
ついて行っていた。