練習は、ポジション別に、スクリーンから、
シュートへの持って行き方を、練習した。

また、速攻練習かと思っていた友理は、
楽な練習になったので、大喜びだった。


1時間くらい経った頃、


  「集合!」


久美子が、皆を集めると、野村先生が来て、


  「よし、この体育館での練習は、
   これで終わる。

   全員、帰る準備をして、
   玄関前に、集合だ」


友理は、これで合宿が終わったと、
またまた、大喜び。

三田は、そんな友理を、笑顔で見ていた。



全員が、玄関前に集まると、先生が、


  「よーし、荷物は、車に積んでおけ。

   いまから、花見に行く事にする。
   あすこの桜が、綺麗だそうだ。
   ちょっと、見て来い」


そう言って先生は、向うの屋根から、
少しだけ頭を出した小高い丘を、指差した。

そんなに遠くは、なさそうだ。

花見と聞いて、友理は、
少し楽しくなってきた。

ただ、大学生たちが、
あまり嬉しそうにしていないのが、
少し、気がかりだった。


  「いいな、昼メシまでには、
   帰ってこいよ」


友理は、“エッ”と思った。

時間は、充分にある。

“上で、宴会でもするのかな”と思った。


  「じゃあ、行くよ」


佑香がそう言うと、皆、走り始めた。