大食堂での、朝食。


大学生のテーブルでは、野村先生、三田、
キャプテンの佑香、マネージャーの久美子が
今日の練習について、話をしていた。


野村「だいぶ、疲れが、
   溜まって来てるみたいだな」


佑香「そうですね」


久美「高校生の子らは、手を抜きませんね」


三田「それが、あいつらの、
   いい所だからな。

   一人を、除いてはな」


久美「友理、でしたかね。
   あの子は、あれで、イッパイだと
   思います。

   いろいろ、文句を言う事で、
   自分を、奮い立たせてるのでしょう」


三田「さすが、マネ。
   よく、わかってるじゃないか」


佑香「最後、どうしましょうか?」


野村「そうだな。どうするかな」


野村は、三田を見た。


三田「もう、先生に、任せますよ」


野村「そうか、じゃあ、………

   大事な選手に、ケガをされても
   困るから、途中で切り上げて、
   花見にでも、行ってもらうか」


三田「花見、ですか。いいですね」


先生は、ニヤリとして、


野村「ああ、あの場所へな。

   桜が咲いているかどうかは、
   わからんが」


久美「じゃあ、午前のメニューで」


野村「ああ、午前のメニューを、
   早めに切り上げて、行ってもらおう」


久美「わかりました」


三田は、笑顔になって、


三田「ユリの泣き言が、聞こえるようだな」