合宿、最終日。


朝、佐紀が目覚めると、布団の中にいた。

驚いて、体を起こし、
キョロキョロ、あたりを見回す佐紀。


  「えっ、なんで?」


思わず、言葉が、口をついて出た。

その声に、桃子以外の皆も、
次々と、目を覚ました。

友理が、佐紀に声をかける。


  「おはようさん」


  「私、勉強してたと、思うんだけど」


すると、梨沙が、起き上がり、


  「サキ、勉強しながら、寝てたじゃん」


  「しかも、ヨダレ、くってたんやで」


  「えー、ウッソー」


  「で、みんなで、運びましたわよ」


  「みんなぁ、ありがとぉー」


  「サキ、結構、重かったよ」


  「えっ、そんなこと、ないよぉ」


  「せやけど、ウチ、嬉しかったわ。

   サキも、スーパーマンやない。
   “ウチと同じ、人間や”って
   わかってんから」


  「同じかどうかは、疑問だけどね」


  「それ、どういう意味やの」



皆、朝の準備をして、ジャージに着替えた。

朝食の時間が、近づいて来たので、


  「じゃあ、モモを、起こさなきゃ」


佐紀がそう言うと、全員、枕を手に取った。

佐紀は、桃子に、声をかけた


  「モモー、朝だよー」


すると桃子は、ガバッと、跳び起きた。


  「なんだ、起きちゃったじゃん。
   つまんない」


歩美は、そう言って、振り上げた枕を、
下に置いた。

皆も、残念そうに、枕を置いた。


  「モモ。もうすぐ、食事だよ。
   準備して」