皆で、佐紀の寝顔を見ながら、


歩美「よっぽど、疲れてたんだろうね」


雅美「キャプテンは、気を使うからね」


梨沙「サキは、頑張り過ぎるんだよ」


桃子「だよねぇ。“エッ、何でここまで”
   って思う時、あるもん」


友理「みんなで、
   気ぃ使わせんように、せな」


雅美「気を使わせる人が、いるからねぇ」


友理「誰やの、それ」


皆が、友理を見た。


友理「えっ、ウチ? ウチ、ちゃうでぇ」


友理は、慌てて、手を横に振った。

しかし、


友理「いや、そうかも」


と、神妙に言い直した。



梨沙「とりま、みんなでサキを、
   フォローして行こうよ」


華子「そうですわね」


梨沙は、ガッツ・ポーズをした。


  「よっし」


全員、


  「よっし」


友理「しぃーーー。
   せっかく、気持ち良う、寝てんやから、
   起こしたら、アカンでぇ」


桃子は、うなずきながら、小声で、


  「さっ、マンガ、マンガ」


そして皆、読書の時間に、戻って行った。



皆が寝るまでの間に、
佐紀の目が覚める事は、一度も無かった。