友理は、小さな声で、
ポツリ、ポツリと、話し出した。
「普段は、優しい人なんやけど、……
お酒が入ると、人が変わって、……
ウチらを、殴る蹴るで、………」
友理のその話に、誰も、
言葉を発することが、出来なかった。
「お母さんが、ウチにかぶさって、
何も悪うないのに、
“かんにん、かんにん”言うて、…」
友理は、あの頃を思い出したのか、
涙声になっていた。
聞いている皆の目にも、涙が浮かんでいた。
友理は、気持ちが落ち着くと、
また、話し出した。
「で、ようやと、離婚することが出けて
もう、神戸には、いられへん言うて、
こっち、来たんや」
華子が、ようやく、口を開いた。
「暴力は、辛いですわね」
あまりの衝撃に、そんな事しか言えなかった
「うん、中学時代は、最悪やったわ。
うっと暗うて…、そんなんやから、
誰も、友達になってくれへんで……」
友理の声が、力強くなってきた。
「せやけど、こっち来て、
サキらと会うて、仲良うしてくれて
一緒にバスケが出けて、
ウチは、生まれ変わったんや。
せやから、サキらには、
感謝してるんやで」

