それを聞いて、皆が、千奈を思い出していた
「チナ、どうしてるのかなあ」
しかし皆は、千奈の笑顔しか、
思い出すことが出来なかった。
「あの、チナだもん。
元気でやってるよ」
すると、佐紀が、
「うん、元気で、やってるよ」
「サキ、知ってんの?」
「うん、時々、メールしてんだ。
ほんの、たまにだけどね。
チナのメール、最後は必ず、
“インターハイで会おうぜ”って、
書いてあるんだ」
「サキ、偉いっ。さすが、キャプテン」
「だって、仲間だもん」
全員が、うなずいた。
「ところで、サキは、どうすんの?」
「えっ、私?
私も、まだ、何も決めてない。
でも、この合宿で、
ここの大学に、入れたらいいなあって
思うようになったんだけど……」
「ここの大学、レベル、高いですわよ」
佐紀は、ため息をつきながら、
「問題は、それなんだ」
「インターハイ、行くくらい、
難しいんじゃ、ありませんこと」
「じゃあ、サキ、行けるじゃん。
インターハイ、行くんだもんね」
「そやなあ。
じゃあ、頑張ってみるわ」
佐紀は、友理のマネをした。
すると、友理が、顔を上げ、
「それ、ウチの、セリフや」
「ハハハハハ」
みんな、大笑い。

