夜の練習が終わり、お風呂から上がって、
寝る支度を整えると、皆は、勉強を始めた。

雅美や歩美たちも、華子に頼んで、
宿題を、運んでもらっていた。

何もしていないのは、梨沙と桃子だけである


  「リサは、宿題、無いの?」


  「春休みは、遊ぶためのものじゃん。

   てか、出しても一緒だから、
   出さないんだって」


桃子が、


  「あ~あ、暇だニャン」


と言うと、梨沙は、


  「私は、勉強するよ。
   よいしょっと」


梨沙は、バッグを引っ張り出し、中を探り、
底にあった、たくさんの本を、出した。

桃子が、嬉しそうな声を上げる。


  「うわぁ、スラムダンク」


佐紀は、それを見て、


  「重そうにしてると思ったら、
   そんなの、持って来てたんだ」


  「だって、これ、バスケの教科書じゃん
   何回でも、読まなくちゃ」


桃子が、


  「私も、読んだことあるよ」


と言うと、梨沙は、

  「何回?」


  「1回だけだけど」


  「ダメだね。
   最低でも、5回は、読まなくちゃ」


そう、したり顔で言った。

桃子は、


  「じゃあ、私も、お勉強をっと」


そう言って、スラムダンクを、読み始めた。