夕食を済ませて、夜の練習のため、
旅館から出ると、久美子が、
「夜の練習は、中学校でやるから。
こっちね」
そう言って、昼間の体育館とは、
反対方向に、歩き出した。
少し歩いて、角を曲がると、
そこに、中学校の体育館があった。
それを見た友理は、
「えー、こんな近くに、
体育館、あるやん。
全部、ここでしたら、ええのに。
ほな、走らんで、ええやん」
「昼間は、中学生が、使ってるでしょ。
それに、走るのは、練習なんだよ」
と、佐紀が言うと、
「うん、それは、わかってるんやけど」
後ろを歩いていた佑香は、そんな2人の話を
微笑みながら、聞いていた。
夜は、シュート練習だった。
各ポジションに分かれ、ガードは3ポイント
センターはターン・ショット、
フォワードはカット・インなど、
必要なシュートを、練習していた。
友理は美智子から、視線のやる方向や、
ジャンプの方向などを、教えてもらっていた
佐紀は、佑香から、
「3ポイントは、リングを見ちゃダメ。
自分の中にあるリングに、
ボールを、投げるの」
うなずく、佐紀。