合宿、2日目。
朝、華子が目を覚ますと、佐紀と友理が、
勉強をしていた。
梨沙と雅美は、本を読んでいた。
「何? あなたたち、まだ、
早寝早起き、やってますの?」
「だって、目が覚めちゃうんだもん」
「はいはい、ご立派ですこと」
そう言いながらも、華子は、
「明日から、私も、
起こしてくれませんこと?」
と言うと、梨沙が、すかさず突っ込んだ。
「おっ、出ました。負けず嫌い」
「そんなこと、ありませんわよ。
ただ、みんなと一緒にやろうと、
しているだけですわ」
「だから、それが、“負けず嫌い”、
だってんだよ」
「うん、わかった。
一緒に、やろうね」
「ほら、サキは、ちゃんと、
わかってますわよ」
「んもぅー、サキぃ、ダメじゃん。
今から、面白くなるんだから」
「面白くって、なんですの?」
その声に、歩美と里香も、目を覚ました。
しかし桃子は、食事の時間が迫って来て、
佐紀たちが起こすまで、起きなかった。
しかも、佐紀が、
「モモ、もうすぐ、朝食だよ」
と言うと、
「うーん、もう少し………」
と言って、なかなか、起きなかった。
そこで佐紀は、
「全員、枕を持って!」
そう命じると、
「モモぉー、朝だよー」
と全員で、桃子目がけて、枕を投げつけた。
「うわっ、えっ、えっ、何っ? 何?」
と、桃子は、跳び起きた。
桃子は、なぜか枕を胸に抱き、
目を丸くして、立っていた。