小さな生徒手帳を手にとる 「幸弘…」 「何?」 もし、俺たちが出逢うべくして出逢ったのなら、これは偶然なんかじゃない 必然だ 「この子…調べといて」 俺はこの衝撃を無駄にするほどバカじゃない 幸弘は眉間にシワを寄せてからふっと笑顔になり 「りょーかい」 と踵を返した 車の中では幸弘にはめずらしいジャズが流れていた