「翼ちゅわーん!」 社長室に入るなりデレデレの顔をして飛び出てきたバカ 「幸弘くん」 猫のようにバカにくっつく翼 「今日もお手伝い?」 「うん…慎のお手伝い」 「そっかそっかぁ~」 幸弘はちらっと俺に視線を向ける顎で「行け」と合図する 他の男に翼を預けるのには抵抗があるが、仔猫がなついてるのは俺か幸弘しかいない 俺は軽く頷いて 「会議行ってくる」 踵を返して社長室から足早に出た 寸前に 「慎―……」 哀しそうなか細い声が聞こえた 俺は待ち合わせていた第4会議室に向かった