わしは春江の思いもよらぬ言葉に 度肝を抜かれて言葉を失った。 「私と結婚してください…」 そう言うと、 春江はスッと手を差しのべる。 春江の目に迷いはなかった。 わしは呆然としていたが、 我に返ると、黙って頷いた。 差しのべてくれた手を握ると、 春江はそっと わしの胸に飛び込んだ。