「あの……仕方がな…
いや、俺が悪い…悪かった…
でもまぁ、
用事が済んだら直ぐ戻るからさ
な、機嫌直してくれよ……な」
恐る恐る近づいて、
念入りに機嫌を取ろうとした恭一だったが、
「本当は悪いなんて
思ってもないくせに……
NOと言えない日本人!!
もう、早く行ってよっ」
振り返って
キッと睨む留美の眼には、
薄っすらと涙がにじんでいた。
(……っ!?……涙?)
その涙にたじろぐと
緩みかけた口元をキッと結び直す。
どうやら
虫の居所はまだ悪いらしい。
さすがにこれ以上は火に油を注ぐばかりだと
察した恭一は
「ゴメンっ」
と叫ぶなり、
そそくさとその場を後にした。

