「あ…、お久しぶりです…」
わしは気が動転してるせいで、
挨拶にはなってない挨拶をした。
春江は懐かしい笑顔で
クスっと笑うと、
「わたし、家を出てきました。
勘当されたので
戻ることもできません…
無礼を承知でお願いしますが、
今晩だけあなたの家に
泊めていただくわけには
いきませんか?」
春江は早口に淡々とそう話したが
わしはその内容を理解するのに
少し時間が必要だった。
春江に会えた喜びも束の間、
予想だにしない事態に
頭がついていかない。
無理もない。
あろう事か
彼女は家出をしてきたと言うのだ。
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