わしは 背後からいきなり声を 掛けられたもんじゃから、 ビックリしてつい反射的に スケッチブックを胸に抱え込んだ。 それが 隠したように見えたのか、 「あ、ゴメンなさい 盗み見するつもりじゃ ないんです… あまりに綺麗な絵だったから つい声をかけてしまって… …すみませんでした。」 と春江は キョトンとするわしに向かって 二度ほどお辞儀をしながら謝った。 じゃが、わしがビックリしたのは 声を掛けられたことよりも、 振り返ってみたときの 春江の美しさにじゃった。 ・