妻は春江という名でな。 春江と出会ったのは、 初夏のよく晴れた日じゃった。 今でもよく覚えておる。 その日もいつものように あの公園で 絵を描いておったんじゃが、 「うわ~、上手な絵! 有名な絵描きさんなのかしら」 と背後から ふいに声を掛けてきたのが 春江だった。