「差し障りあるようでしたら、 無理なさらなくても…」 何故だか悩みだした賢三をみて 彼の過去にズケズケと土足で入り 込んだような罪悪感を感じた。 配慮に欠けた自分を恥じて 留美は止めようとしたが、 「いや、いいんじゃ。 約束と言っても わしは 果たせなかったからのぉ… あいつには悪いことをしたと 思うとる」 と前置きをして、 賢三は静かに語りだした。 ・