「んん?…うちのか? う~ん、そうじゃなぁ…。 今にして思えば、 うちのもそうだったのかも しれんなぁ… たった一つの約束を信じて、 一生ついてきたんじゃからのぉ あれはあれで 気が強い女じゃった……。」 (だった?) 留美が眉間にシワを寄せると 「いや、気にすることはない… うちのが逝ってから、 かれこれもう1年になる…」 と手の平で制する素振りをして 老紳士は優しく微笑んだ。