「御前崎って、素敵な所ね」 海を眺め続けている恭一に 留美はポツリと言った。 「まぁ、俺は故郷だから、 落ち着くって感じだけどな。」 恭一は久しぶりに帰ったからか、 見馴れた光景に安らいでいる。 「でも、ほんとにきれいな海… 恭一はここで育ったんだね。」 「ああ……」 恭一は光が乱反射してキラキラと 輝く海を見ながら頷いた。 「私、今日はどうしても 御前崎に来てみたかったんだ」 ・