春江の葬儀には、
大勢の人が集まってくれた。
春江は天心爛漫な性格だったから
誰からも人気があっての。
皆、春江との別れを惜しんで
くれていた。
葬儀に集まってくれた人達皆が
春江の生きた証に思えた。
各界の著名人
近所の商店街の仲間達
そして、春江の教え子達
葬儀の後、
皆をルノワールに招いて
食事を振る舞った。
春江が最も愛した
ルノワールだからこそ
別れの場に相応しいと思えたからだ。
食事の後、
誰からともなく春江の思い出話を
皆で語り合ってくれていた。
今思えば、落ち込んでいたわしを
励まそうとしてくれていたのかも
しれん。
奇想天外な春江の思い出話に
笑い声まであがっておった。
その輪の中に
まるで春江がいるかのように…の
春江には最高の供養になったこと
じゃろう。
誰一人席を立つこともなく、
夜遅くまで春江のことを偲んで
くれていたんじゃからの。
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