描かれている老夫婦の笑顔は 幸せに溢れていた。 留美はフフッと微笑むと、 しばらく黙って絵を眺めていた。 よく見ると、手は赤い糸で結ばれている。 (ロマンチックなおじいさんね) と留美は横になっている賢三に 振り返った。 間近で見ると、 赤い糸の部分だけが 具材が違っていることに気づいたが、 (強調したかったのかしら?) と、さほど気にはせず、 それよりも色使いが鮮やかな事に 目を奪われた。 ・