その病室は、 七階の角部屋の個室だった。 (どんな絵なんだろう…?) 留美は不謹慎にも胸が高鳴った。 部屋の中に入ると、 壁一面に綺麗な絵が描いてあった。 見た瞬間、 「あっ!」 と叫んだが、 留美は大声を出すまいと 咄嗟に口に手を当てた。 その絵は、 老夫婦が公園のベンチに腰掛けて ニッコリ笑っている絵だった ・