「強気な人なんだ……へぇ。
でも、私だったら
恭くんには頑張って欲しいから
仕事に専念させてあげるけど」
と対抗心なのか
留美の対応に
納得がいかないようだ。
昔の恋人ともなると
女は姑心が芽生えるのだろうか?
などと恭一は菜々子の返しに
暢気に構えては
(確かに奈々となら、
こんな喧嘩はないだろうな…)
とふと思った。
「でも、
なんだかんだ文句言いながら
続いてるってことは…
恭くんは、
余程、彼女さんが好きなのね」
と奈々子が冷やかすと、
「ん…まぁ、そうかもな」
恭一は否定することはせず、
首を傾げながら曖昧に答えた。
「ごちそうさま~」
と恭一の冗談めいた自慢に
含み笑いをしながら
菜々子は軽く手を合わせた。
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