――次は○○駅、○○駅― 車内にアナウンスが響いた。 私が降りる駅だ。 駅に着くとやはり、そこも酔っぱらいのおじさんたちで溢れていた。 駅の階段をおりていると、 フラッとバランスを崩してしまった。 後ろの人に誤ってだろうけど、靴を踏まれてしまったのだ。 「大丈夫ですか?」 ふいに後ろにいた男性が支えてくれた。 私とおそらく同年代の、まだスーツが似合っていないかんじの、会社に入りたてなんだろうなと思われる男性だった。 「あっ…はい…」