「あの日、この子が具合悪くして病院に連れて行こうとしたの。 それで、上の子は家でおじいちゃんとおばあちゃんとお留守番……で、家は津波で全壊しちゃった」 ズキン! 胸に釘を打ち抜かれたような痛みが走った。 「未だに見付からない人達もいるけど、うちはすぐ翌日に見付かったから、良かった方だよね」 「真由……」 何も言葉が出なかった。 涙が出そうになったけど、一番辛い思いをしている真由の前で泣いてはいけないと思い、グッと我慢した。