「連絡……無いんですよね?」
私はやっと、その一言が言えた。
「今のところ、まだ……。
あいつ、時々、車の中に携帯を置きっぱなしのままで、現場に出る事があるんだ。
だから、もしかすると、平場の方に車を停めっぱなしのままで、高台の現場に居て……携帯を無くして連絡が出来ないのかもしれない」
もしかしたら、そうなのかもしれない。
必要な電話番号は、携帯の電話帳に保存されてるから、覚えてなんかいない……私だってそう。
でも……。
それでも、会社と実家の電話番号だけは、覚えてる。
だから、そのどちらかには……連絡が出来る。

