野に咲く一輪の花の如く


ガラガラガラ



「父さん! 母さん!」



えっ?

その言葉が玄関からしたのと同時に、2階から階段を下りてくる音がした。

私達は顔を見合わせてから玄関へ向かった。



「一茂?! おまえ、どうしてここに?」

伊藤さんは目を大きくして驚いていた。



息子さん、だよね?

すると、息子さんは私と進に気が付いて、首を軽く傾げた。



「あっ、震災で助けて頂いてから、そのまま避難させてもらっております前田と申します」

進は事情を説明して頭を下げたので、私も合わせて頭を下げた。