野に咲く一輪の花の如く


離れ離れだった時間は、辛くて不安で苦しかった。

でも、私達はこうして会えたから、もういいよ。



だけど……。



当たり前に続くと思っていた日常が、大切な人が、突然失われてしまった人達は……。



「息子さんは居るみたいなんだけど、奥さんとお子さんと一緒に海外に居るらしくて、多分、すぐには来られないだろうなぁ……震災の影響で、未だに連絡取れないみたいだし」



進はいつの間にか撫でるのを止めて、私の頭の後ろに手を当てていた。

しばらく私をジーっと見た後、進は無言で立ち上がって、私のすぐ横まで来て立ち膝で座ると、私の頭の上から覆い被さるようにふんわり優しく抱きしめた。