野に咲く一輪の花の如く


「携帯は午前中に使ってバッテリーが無くなりそうだったから、簡易充電器で充電したまま車の中に置いていた。

充電が終わりそうな時間に、ちょうど車の中に置いてた資料を確認したい事もあって、散策路を下りかけた時に地震が発生したんだ」




進は当時の事を思い出しているのか、ずっと渋い顔をしたままだった。



でも、急に表情が変わり、フッと苦笑いをしてから、私をジーっと見た。




「俺、社会人失格かもしれないなぁ」

「えっ? なんで?」



ドキッ

私の質問と同時に進の手が伸びてきて、久し振りに頭を優しく撫でられて、こんな時なのに心臓が鳴った。