野に咲く一輪の花の如く



「伊藤さん、津波で奥さんが亡くなったのは自分のせいだから、奥さんの傍に逝きたい……そう思っているんだ」




私はその言葉を聞いて、真由を思い出した。

上の子や義理の両親が亡くなったのが自分のせいだと思って、死にたくなった……そう言っていた真由。

下の子が支えになって『生きよう』と思った……そう言っていたけど、もしもそう言う支えがない人は……どうなるの?



「実は地震の前、調査の仕事で伊藤さんの奥さんとも話をしていたんだ。短い時間しか話さなかったけど、気さくで明るくて……話していて楽しくなるような人だった」



進は少し辛そうに、眉間にシワを寄せた。