野に咲く一輪の花の如く


私は身動きが取れなかった。



頭の中には、地震が発生してからの様々な事が、走馬灯のように浮かんでは消えていった。

長かったのか、短かったのか、よく分からない。



心の何処かで『もう会えないかもしれない』と思っていた、私の大切な人に……会えた。




ガラガラガラ



「未来!」

歪んだ視界で見ていた玄関の引き戸が開いて、進が出て来た。



本当に、進?



走って私に近付いて来る姿を、目で追った。

座り込んでいた私の前に来ると、しゃがみ込んで私と同じ目線になった。