【続編】長男のカゴ

調子悪いのか?



ウォーターサーバーから水を注ぎ、雷に渡した。



「大丈夫?」

「問題ねぇよ。飲み過ぎただけだ」

「ならいいけど」

「明日から2連休だからな。チビ達連れてどっか行ってくるし。飲みてぇけどやめとく」



偉いよな、雷って。



おとなしくなった怜がなんだかおかしい。



「怜ちゃん、学校の善はどう?」

「楽しそうですよ!!成績もいいみたいだし…補佐のあたしには考えられない点数を取るんです」

「補佐なの?てっきりどっかのお嬢さんかと思ったら」

「すみません、すっごく平凡な貧乏家庭です…」

「俺も元超貧乏」

「ウソだ!!」

「いやいや、マジだよ。バイト3つ掛け持ったり、食パン1斤で1週間過ごしたりね」



そうだったのか。



あまり知らない親の過去にはちょっと興味ある。



「父親いなくて、母親に死なれて。生きて行くのに必死だったな」



親父がいなかった?



あれ?



俺はいつ雷に引き取られたんだ?



一緒に暮らしてたわけじゃねぇのか…。