【続編】長男のカゴ

お昼にお弁当を食べ、最後の試合。



「さすがに肩いてぇな…」

「日頃やってないからね。ここまで来れただけでも凄いよ」

「ちょっとマッサージして?」

「はぁ!?あたしが!?」

「腕とかエロ~く揉んで?」



バカじゃないの!?



アホ善!!



「近野さ~ん、善がマッサージ希望」

「かしこまりました。お疲れでしょう」



うんうん、これがあるべき姿だ。



よかったよかった。



そんなにそんなにベタベタ触れないよ…。



善って本当に何も考えてないんだろうな…。



その日、優勝したのは3年S科だった。



準優勝した2年S科には特別3日の外泊のみが許されて。



いちばん頑張った善が本当に嬉しそうだった。



「次の連休に帰る!!」

「よかったね」

「お前は帰んねぇの?」

「帰っても父親しかいないし。昼間からお酒飲んでるような父に会いたくないし」

「じゃあうち来るか!?」

「はい…?」

「チビ達いるし。お前、前に兄貴と歳離れてるって言ってたじゃん」



善の家…。