そんな虎宇から電話が来たのが寝る前だった。



「珍しいね、善から電話なんて。雷さんに言えないような悪事働いてどうにもならなくなった?」

「俺、そんな悪い子じゃないからね」

「そうか?」

「そうだよ。でさ、新島と藤間の別荘使わせてほしいんだけど」

「いいよ。雷さんがいいって言ったなら」

「雷が虎宇にかけろって言ったからかけたんだ」

「じゃあ俺からも雷さんに言っとく。今度メシでも行こうか」

「行く!!安いとこな?もうヤバいよ。毎日フレンチ、毎日イタリアン。いい加減留宇のメシ食いたい」

「俺も食いたい!!」



母親である留宇とかなり仲良し兄妹の虎宇。



とにかく仲がよくて、家族ぐるみ。



仕事ではライバルだけど、逆にそれがいい関係を築けてるらしい。



お互い刺激し合えるんだとかで。



久しぶりに声を聞いたもんだから話が弾み、長電話をしてしまった。



「彼女できてないの?」

「まずS科って出会いないから!!普通科との接触がすくなくて」



ほとんどグチになっちゃったけど。