【続編】長男のカゴ

何を言っても無駄かもしれない。



そう気がついた時、さっきの結城の言葉を思い出した。



会うなって言ったのはこういう意味だったか…。



「頭冷やすから」

「それでなにか変わるの?」

「わかんねぇけど…。今は話してもダメだよな…」

「今じゃなくてもダメでしょ」

「俺は怜が好きだよ。自分でしたことは…ちゃんと自分で考えるから。ごめんって言っても言い足りないけど…。本当にごめんな…」

「もういいから。早く出て行ってくれる?頭が痛いの。今から眠るから」

「うん、また来る」

「バイバイ、善」



部屋から出て、深いため息をついた。



俺たちはこのまま終わってしまうんだろうか…。



「善様」

「結城…。少しいい?」

「では善様のお部屋で」



結城と自分の部屋に来た。



近野は俺が学園に戻った手続きをしに行ってていない。



「座って?」

「いえ、このままで」

「怜の様子は?」

「泣いて、泣いて、笑って泣いての繰り返し。精神的にちょっと不安定かと」



そっか…。