【続編】長男のカゴ

善の隣でムッとしていた。



急に腰に回ってきた腕。



それに引き寄せられた。



「俺って人気者~」

「恥ずかしいからやめてよね…」

「何で?見せつけてやればいいじゃん。『善はあたしのだから~』って」



こんな金持ちの巣窟で!?



庶民のあたしが善の彼女だって胸張って言えるかっての!!



「お前は俺に似合うイイ女だよ」

「んなぁ~…。なんか善がナルシスト!!」

「1回ぐらい言わせてくれよ。モテ期気分味わってんだから」

「バカ!!」



横を向いた善が1年生に向かって手を振った。



その瞬間、悲鳴に近い声が聞こえてさらにイラッ。



「スゲーな、アイドル気分だ」

「バカじゃん!!善のバックにあるもんに騒がれてんのに!!」

「雷がさ、俺が学園入ったらちやほやされるって言ってたけど。今実感してるよ」



そう言った善だけど、顔は苦笑い。



あれ?



女の子大好きの善があんまり嬉しそうじゃない…。