変なの。



今までこんな風に思ったことねぇな。



怜を見るな!!とも思ってしまう。



そんな俺の気も知らない怜は今から始まる映画にわくわく。



「暗くなった!!始まるよ!!」

「静かにな…」

「はぁい」



しばらくスクリーンを見て、ふとした瞬間怜の方を向いた。



目が合って、口パクで『何?』とカワイイ顔で言われて…。



急に怜に触りたくて手を握ると照れたように緩んだ口元。



カワイイ~…。



俺の彼女ってこんなにカワイかったのか…。



映画より怜に構ってたい…。



「おもしろい?」



耳元でそう言うとコクコクと頷いた。



一方俺は早く終わらないかってことばっかり考えてて、終わってすぐに映画館を出た。



「おもしろかったね~」

「そうだな。でもアクションシーンが呆気なかった気がする」

「次、どこ行く?」

「昼メシ。牛丼食いてぇんだけど」

「行こう、牛丼屋」



ほぼ初デートなのに牛丼屋でも文句言わない怜が好きだ…。