【続編】長男のカゴ

父子家庭らしく、母親がいないため、料理は昔からしてたんだとか。



やりくり上手なのは貧乏故の知恵。



俺んちが普通の家族、普通の食卓なため、学園のメシがかなり口に合わない。



この歳で食がこんなにも大事なことに気づくとは思いもしなかった…。



「そういえば善の嫌いなモノってあるの?」

「それは昔、母親がオクラにハマりまして。毎日オクラ食わされてたらある日突然食えなくなりました~」

「了解、オクラね」

「カリフラワーもあんまり得意じゃない。後は~…クリスマスケーキの上に乗ってるサンタ」

「なにソレ?」



アレだよアレ。



マジパンとかいうアレ!!



「まだサンタ信じてるガキの頃、父親が買ってきたクリスマスケーキにサンタ乗ってて」

「うん」

「ソレ食ったんだよ」

「マズかったの?」

「うまかった…」

「じゃあなんで!?」

「その日、父親が仕事と酒のせいで早く寝て…母親は妹が生まれたばっかりだったから寝かしつけてたら一緒に寝て、サンタが来なかった」



忘れもしない衝撃の日。