【続編】長男のカゴ

1位になると、次のテストまである程度の自由が与えられる。



それはうらやましすぎる自由。



「あっ、今週末帰るから。厘の誕生日だしな」

「あたしも連れてけ~…」

「ムリだろ。だから欲しいもんあったら買ってきてやるよ」



まず、週末は帰宅が許される自由。



次に普通科の学食が利用できる自由。



そして最後に生徒会に意見できる自由だ。



生徒会の決定に口を出せるのは先生達くらいだったのを、善も出せるようになった。



それが1位の者に与えられる自由。



善、週末いないのか…。



「寂しそうな顔すんなよ~。そんなに俺が好きか?」

「うるさいよ。うらやましいだけだもん…」



寂しいに決まってるじゃないか。



善がいないだけでヒマになるし…。



「私の前でイチャイチャしないでいただける?」

「勉強でもすりゃあ優しくなるって」

「そんな単純な話なのかしら…」

「やるだけやってみろよ。でもアリなわけ?秘書との恋愛」

「アリに決まってるじゃない。私は跡継ぎってわけでもないのよ」



そうだったのか…。