【続編】長男のカゴ

服を着ててよかったと思い起きあがった。



「怜様、お部屋にお夜食でもお持ちいたしましょうか?」

「食欲ないです…」

「そうですか。ではお部屋へご一緒いたします」



名残惜しいけど部屋に戻らなきゃ…。



善の手を離し、オヤスミを言ってから部屋に戻った。



「ハァ~…」

「熱でもあるんですか?顔が赤いです」

「ね、熱なんかないですっ!!」

「目が赤いのは泣いたからですか?」

「もう…泣かないので…。善が…戻ってくれたから」

「ならよかったです。本当によかった…」



今日はもう眠れないかもしれない。



嬉しさと恥ずかしさと。



なんかフワフワの感情が入り交じってて。



本当に胸がいっぱい。



「善様を許されたってことですね」

「別れるって言った善のことは許しました。エミに言われたこと、信じてよかった…」

「明日は目が腫れますね」

「いいんです。幸せだから」



あたしは善を好きなこと、やめられる気がしないから。



だから善は悪くない。