【続編】長男のカゴ

超ドキドキした。



初めてのことに頭が本当についていかなかった。



初めて感じた善の体温。



善のモノだと言われてるような痛み。



その先にあったのは幸せ…。



もう部屋の中は真っ暗で、善の鼓動だけがあたしを支配する時間…。



何を話すわけじゃなく、ただくっついてるあたしを善は抱きしめてくれてた。



「満たされるってこんな感じだろうな」

「うん…」

「このまま寝てぇよ…」

「そうだね…」



何も話さなくなった善が心地よくて目を閉じた。



もう離さないで…。



ずっとこうして抱きしめてて?



この腕の中から逃げ出したくないよ…。



「善様」

「怜様」

「「おはようございます」」



その見事にシンクロした声で起こされた。



部屋には電気がついていて、ベッドの横に立ってるふたりの秘書。



あのまま寝てしまったのか…。



「何時…?」

「夕食も終わり、すでに夜の11時、消灯時間ですので、岩崎様は部屋へお戻りください」

「ヤダ~…このまま怜と寝る~!!」

「また停学希望ですか?」



超寝てしまった…。