俺は守られて生きてきたんだなって実感する。



「雷からなんか聞いてる?」

「雪村暁君のこと?」

「ん…」

「雷さんがどうするかはわからないけど、雷さんの弟だったらあたしは受け入れるよ」

「あのさ…もし、もしも雪村が俺みたいに藤間になったら…俺はいらなくなったりすんの?」

「あんまりふざけたこと言ってると水ぶっかけるよ?そんなわけないでしょ?善は大事な息子です」



笑顔で滅多に言わないような台詞を吐いた。



コレは本気で怒ってますね…。



「ごめん…」

「善がウザいって言ったって、あたしはいつまでも善の世話焼くからね」

「ありがと、留宇」

「ママって呼んでもいいけど?」

「申し訳ない、死ぬほど恥ずかしい」

「あははっ!!」



俺は雷の力になりたいと思ってた。



でも、今考えてることは…雷の後を継ぐのは俺であって欲しいということ。



天でも厘でもなく、俺が雷の次の社長になりたい。



あの学園に入ってからそんな風に考えるようになってしまったんだ…。