【続編】長男のカゴ

朝食後のテレビ画面には授業がリアルタイムで送られて来た。



善や他のS科メンバーの顔は見えないようになってて、先生の授業を聞くだけのような感じ。



休み時間になれば画面は真っ暗。



結城さんがコーヒーをくれた。



「おいしいです…」

「それはよかった。では怜様のことをいろいろ話していただけますか?」

「あたしのこと?」

「私が知ってるのは家族構成や生い立ち。学園内でのことくらいです。好きな色や、嫌いなものを知りません」

「好きな色は…今まで考えたことなかったです…。嫌いなもの…たくさんありすぎます」



父親、グリーンピース、人を見下すお嬢様。



そして…雪村君。



「怜様、私は間違いを正し、怜様には善様に相応しい方になっていただく指導をしにきました」

「わかってます…」

「厳しいことを言うかもしれませんが、それも怜様のためと思っていただけますか?」

「はい」



結城さんの言葉をちゃんと聞いて、善に相応しい女になりたい。



だけど…善はどう思ったのかわからなくて…。



あたしの中、不安しかない。