【続編】長男のカゴ

走り書きのように紙にペンを走らせた。



とにかく伝えなきゃ。



伝えるのは今しかない!!



「よろしいですか?電源を入れたらこちらのボタンを押します。簡単な設定はして起きましたのでこれで大丈夫でしょう」

「ありがとうございます…」

「授業中だけの映像ですので休み時間は通信が切れます」

「はい…」

「ちなみに謹慎期間は1週間、頑張って耐えてくださいね」



コクッと頷いて書いた紙を近野さんに渡した。



それを内ポケットにしまった近野さんは珍しく笑顔で頷いてくれて…。



また泣きそう…。



「では失礼します。あっ、もしかすると謹慎の後半、岩崎様の秘書が来るかもしれませんので」

「あたしの秘書!?」

「頑張るとおっしゃったのは岩崎様です。社長にお願いしてみたんですよ」

「あたしなんかに…もったいない…」

「立派なお嬢様になってください。では失礼します」



近野さんがいなきゃ、あたしはどうなってただろう…。