【続編】長男のカゴ

部屋に戻るとジワッと涙があふれた。



ケータイもないし誰とも連絡が取れない。



言い訳もできずにあたしと雪村君が謹慎…。



善にどう思われただろう…。



ドアは常にロックで食事は誰かが運んでくれる。



善に会いたい…。



騙されたバカなあたしを謝って、また抱きしめてもらいたいのに…。



「失礼します、お荷物をお持ちいたしました」

「近野さんっ!!」

「岩崎様、余計なことは語らないでいただきます。ブレスレットで会話が外に漏れていますので」

「ウソ…」

「本日の課題です。それと、私はもうここには来ません。食事を運ぶのはメイドです」



課題を机に置いた近野さんが近くにあったペンと紙を手にして振り返った。



それを渡されて…。



何か書けと…?



「テレビで授業が見れます。操作の仕方はわかりますか?」

「わ、わかりません!!」

「電源を入れましたらこちらのボタンを…押して…すみません、機会には疎いもので。少々お待ちを」



トントンっと紙を叩かれた。



早く書けという意味だろう。